船釣りを始めると、誰もが一度は気になります。
「右舷と左舷、どっちが釣れるんだろう?」
「みよしって、やっぱり有利なのかな?」
「ともは地味だけど、実はいい席?」
そして寒い日には、さらにこう考えます。
「今日は北風だから、こっち側のほうが暖かそうだな」
最初は、そんなことを考える余裕すらありません。
揺れる船、慣れない仕掛け、寒さや暑さ。
初心者のうちは、ただ釣りをするだけで精一杯です。
でも何度か船に乗るうちに、少しずつ「考える余白」が生まれてきます。
座る場所を考えるのも、そのひとつです。
結論から
座る場所で釣果が決定的に変わることは多くありません。
でも、体感(寒さ・風・釣りやすさ)はけっこう変わります。
だからこそ、場所を考えるのは「釣果テク」ではなく、楽しむための工夫です。
まず前提|右舷・左舷で釣果が決まることは、ほとんどない
「右舷が釣れる」「左舷が当たり」といった話を聞くことはありますが、
東京湾の船釣りでは、左右の差が決定打になる場面は多くありません。
理由はシンプルです。
- 船長は潮や魚の反応に合わせて船を流す
- 片側だけ不利になり続けないよう、流し方や立て方を調整する
- 釣れる・釣れないは、潮のタイミングや群れの入り方の影響が大きい
ただし、左右で大きく変わるものがあります。
それが「風の当たり方」と体感温度です。
寒い日は、体が冷えると集中力が落ちやすくなります。
寒さを避ける=釣りやすさにつながるので、左右を考えるのは十分アリです。
右舷・左舷は「風」と「日差し」で選ぶのが実用的
寒い日ほど、気温よりも「風」の影響が大きく感じられます。
同じ気温でも、風を直接受けるだけで体感温度は一気に下がります。
北風の日は、右舷が暖かく感じることが多い?
冬の東京湾で多い北風の日は、船の向きや流し方によって、
右舷が風を受けにくく、暖かく感じることがあります。
ただし、船はポイント移動や流し替えで向きが変わります。
「北風=右舷が絶対に正解」ではありません。
あくまで「そうなることが多い」くらいの感覚でOKです。
南風の日は、左舷が楽なこともある
風向きが逆になれば、風裏になる側も入れ替わります。
そのため、南風の日は左舷が快適に感じる場面もあります。
初心者は「今日はどっちが釣れる?」より、
「今日はどっちが寒くなさそう?」で選ぶ方が、結果的にうまくいきやすいです。
みよし|釣れることはあるが、簡単な席ではない
みよしは船の一番前(船首)です。潮も風も波も、真っ先に受ける場所です。
「みよしは釣れる」と言われるのには理由があります。
- 魚に一番先に仕掛けが入ることがある
- 潮を“きれいに”受けて仕掛けが素直に流れやすい場面がある
- 活性が高い日は、先に当たりが出ることがある
一方で、みよしにははっきりした難しさもあります。
- 揺れが大きく、竿先が安定しにくい
- 風を直接受けやすく、寒い日は体力を削られやすい
- タナ(狙う水深)キープが難しく、操作がシビアになりがち
つまり、みよしは「釣れる席」になり得る一方で、
慣れている人が活かしやすい席でもあります。
とも|地味だけど、実は初心者と相性がいいことも多い
ともは船の一番後ろ(船尾)です。
ここが「釣れる」と言われるのは、主にコマセ釣り(アジなど)で起こりやすい話です。
- コマセやエサが後ろへ流れて溜まりやすい
- 群れが後ろに寄る時間帯がある
- みよしほど上下動が大きくなく、仕掛け操作が安定しやすい
特にアジ釣りでは、日によってともが安定して釣りやすいことがあります。
もちろん万能ではありません。潮が速い日はオマツリしやすくなるなど、状況によっては難しいこともあります。
それでも、みよしほどクセが強くないため、初心者にとって「実はちょうどいい席」になることも多いです。
なぜ、みよし・ともは朝早くから取られるのか
船宿に早く行くと、みよしやともがすでに埋まっていることがあります。
これを見ると「やっぱり釣れる席なんだ」と思ってしまいがちです。
でも実際は、次の理由が多いです。
- いつも同じ場所で釣りたい(慣れた立ち位置が落ち着く)
- 自分の釣りのリズムを崩したくない
- その日の風・潮を見て「今日はここが合いそう」と予想している
つまり、経験者が早く取るのは、釣果を独占するためというより「自分が釣りやすい場所」を確保したいという意味合いが大きいのです。
みよし・ともが取れなくても、
「今日はもう不利だ」と思う必要はありません。
空いている場所でも十分釣れる日もあります。
座る場所を考えるようになると、釣りはもっと楽しくなる
座席の話をすること自体、実はもう「初心者の一歩先」に進んでいます。
「今日は寒そう」「風はどっちから?」「今日は前が来る日かな」
そんなふうに考える時間が生まれた時点で、釣りはただの作業ではなくなります。
そして、その予想が少しでも当たると、思った以上に嬉しいものです。
「今日はこっち側、正解だったな」
「思ったより寒くなかった」
それは釣果とは別の、小さな達成感です。
当たっても嬉しいし、外れても経験になります。
まとめ|座席は「釣果テク」ではなく「楽しむ工夫」
- 右舷・左舷で釣果差が決定的に出ることは多くない
- 寒い日は風予報を見て、風を受けにくい側を選ぶのはアリ
- みよしは当たる日もあるが、揺れや風で難しくなることもある
- ともは地味でも安定しやすく、初心者と相性がいい日がある
- 経験者が朝早く場所を取るのは「慣れ・快適さ・予想」が理由のことが多い
座席選びで一番大切なのは、安心して集中できることです。
快適に過ごせると、自然と手元が落ち着き、釣りも上達しやすくなります。
座る場所を考える時間も、船釣りの楽しさのひとつ。
少しずつ、釣りは「自分の趣味」になっていきます。
